暖かい記憶
最後に残った仕事として、写真の整理があります。
カメラ好きの父が残した膨大な写真を、アルバムとともに実家でふるいに掛け、ほぼ完了ですが、ウチにある物と一緒に整理してデジタル化の業者に送る、それで終わりです。
多岐にわたった実家の片付け、ほんと〜〜に色々な作業がありました。
肉体的に重労働なのは勿論ですが、どの業者を頼んで、どんな手順で進めてなどなど、精神労働も半端でなく、最初は過労死するかと思いました。
そんな中で、写真の整理は量が多すぎて疲れることは疲れても、一番楽しい作業だったかもしれません。
被写体は、大体が楽しい集まりや旅行でニコニコしていて、そのエネルギーが精神的な滋養でした。
若い母が自分で作った洒落たドレスを着て澄ましているのも微笑ましいですが、父と仕事仲間が酔っ払って肩を組み、マイクを持って歌謡曲か何かをがなっている写真は、噴いてしまいました。
きれいな羽だけを残して、とっくにあちらに帰った懐かしい鳥たちの愛らしい姿も残されていました。
父は貿易商だったので、世界各地に出張に行き、まだ私が行ったことのない国や都市での写真を見ながら、ちょっとした海外旅行気分?
アルバムは厳選して数冊残した中で、私の誕生から一歳になるまでのぼろったピンクのアルバムは、エネルギーが特別です。
地球の苦痛の洗礼を受ける前の乳飲み子は、いつもご機嫌で、軽やかで暖かな天界の気のようなエネルギーが漂っています。
親類縁者からのお祝いでしょう、バンビちゃんやお人形たちに囲まれ、人生の過酷さなどと無縁な地上の楽園で、暖かい愛情に包まれていました。
とても若い両親がまたえらく幸せそうで、古くて汚くて物質的には捨てたいような代物ですが、ウチにある物では一番エネルギーが高い物の一つかもしれません。
ということで、もう一曲、広橋真紀子さんの「暖かい記憶」です。
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