萩原健一という人生
ニュースで訃報を見るまでは、素行不良でも有名な有名人、くらいな認識しかありませんでした。
様々な情報がメディアに流れ、あれやこれやと情報を読み漁るようになり、気づいたら、何作か昔の主演作ドラマまで見てしまいました。普段、全くドラマなど見ないのに…です。
どうしてこの人にこんなに惹かれるのだろう、と不思議に思ってわかったのは、私とは正反対の人生を生きた人だったということです。
抑圧に抑圧を重ねてとてつもなく辛いことになってしまった人生(今は違いますけど…)と、我慢ということを大してしなかったように見え(見えるだけでしたが)、持てる才能を使い切って見事な花々を咲かせた人生と。。。
非嫡出子だそうで、幼い頃から色々と辛いことがあったのではないでしょうか。ひどく傷ついていた人、その痛みを外側にぶつけることしか出来ずに、一層ひどく傷ついた人。
それでも萩原さんは、最後の結婚でご自分でおっしゃった通り、ジェットコースターから降りてメリーゴウランドに乗り、そのまま故郷に旅立たれたようです。本当に何よりでした。彼も、本当の自分を諦めなかったのですね。
同時にそれは難病を抱えた日々でもありましたが、その病気こそが恩寵だったかもしれません。
逮捕や諸々の蹉跌から、仏教に親しむようになられたそうですが、不良なおっさんだと思っていた人の口から、「病気になって智慧を生きるようになった、こうしたらどうかな、ああしたらどうかなって…」というインタビューを聞いた時、心底驚きました。
ご夫婦仲も円満なのを通り越して、この病気があったからこそ、いつこの幸せが失われるかわからない緊張感のもとに、深い愛情のやりとりがあったかと推察されます。
そして、ドラマ出演の依頼と再手術のチャンスが重なった際、再手術の勧めを蹴って、延命よりも俳優としての人生を全うすることを選んだ夫、彼はまだ60代です。その意思を尊重できる妻がどれだけいるでしょう。
互いにとても尊敬し合うご夫婦だったようで、そうした敬意や本当の愛が、彼の選択を支えるという彼女の選択になったのでしょう。
夫人の献身的なサポートのもと、彼は移行するほんの数日前まで、熱心に撮影のための脚本読みをしていました。
人の何倍、何十倍?も生きた、濃くて充実したすごい人生だったと思います。
きっとあちらでは、守護の方達と共に、人生の振り返りなどしていらっしゃるのでしょう。羨ましいですね。
やっぱり思いっきり生きて、思いっきり失敗でも成功でもをして、満足して故郷に帰りたいです。そうして、お楽しみのガイドたちとの答え合わせ!
誰か亡くなるたびに、きっと今あれしてるんだろ〜な〜、いいな〜、と思ってしまう。。。死んでからの一番の楽しみがこれですから。。。今からワクワクするっ!
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