歳をとると…
日本では、若さというより、この齢になってみると、子供じゃないの?というような年齢層がもてはやされる傾向が異様に強くて、そういう私自身も多かれ少なかれ影響されています。
でも、今と昔とどっちがいいか、と言われれば、今の方がいいです!
絶対今の方がよくて、ほんの少し前にでも戻りたくはありません。
これは多分人それぞれで、愛情に恵まれて楽しいことの多い幼年時代や青春時代を送った方たちには、また違った思いがあることでしょう。
以前研究対象だった吉田健一は、「若い頃というのは悲惨過ぎて、余生に入ってからの方がどれだけましか知れない」と書いています。彼の研究を始めたのは30歳近くになってからですが、その頃でも、全くその通り!と思っていました。
戦後長く首相を務めた吉田茂の長男で、そのプレッシャーたるや私の比ではなく、弱音なんか死んでも吐かないプライドの陰で、どれほど辛かったかと思います。
最近びっくりしたのが、滅多に映画は見ないのですが、「ペンタゴン・ペーパーズ」を見たくて映画館に行ったら、55歳以上はシニア割引だと書いてあった。。。
あれま〜シニア!?(@@)
でもいいわねえ!!
1800円の鑑賞券が1100円でした〜\(^o^)/
「ペンタゴン・ペーパーズ」を見たいと思ったのは、実話なのと、主演の二人が好きな女優・俳優さんだったからです。
メリル・ストリープって、もう70歳近くなるのに…
いつ見ても本当に品が良くて綺麗〜 (#^.^#)
彼女は整形しない主義だそうで、整形する方がフツーなハリウッドでは珍しいそうです。自分のありのままを愛して受け入れていること、そして私生活が穏やかで充実していることも、彼女の美貌に寄与しているに違いありません。
しかも、若い頃の写真を見ると、どこにでもいるようなただの美人なのに、中年を過ぎると、どこから見てもメリル・ストリープという個性がくっきりはっきりして、彼女にしかない抜群の魅力が輝いているよう。。。
「ペンタゴン・ペーパーズ」では、背水の陣のような厳しい状況で、役員たちの反対を押し切って自分自身の決断を下し、その結果新聞社と報道の自由を守ることに成功した社主を演じていました。
夫の自殺で思いがけず社主となったものの、おどおどとして自信の無さ丸出しだった女性が、「この会社は父のものでもなく、夫のものでもなく、私のものです。そう思えない役員は要りません」と啖呵を切って自分の意思を通した場面は印象鮮やかで、あれこれの葛藤を乗り越えた主人公の精神的な軌跡が魅力的でした。
また、投獄覚悟で、戦争を止めるために機密書類を公にする志を貫いた人々の誠も心に触れました。
いつの時代でも、どこの国にもこうした人たちがいて、全く歴史には残らず、永遠に人目に触れることが無くても、その誠は、人間という種の中に受け継がれているのだと思います。
- 何でもなくて天国な日常
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