地球味!
先日金沢に飛んだ際、好天に恵まれて素晴らしい眺めを満喫しました。
前と同じコースで、調布飛行場を過ぎてしばらくすると、前回は曇ってよく見えなかった浅間山が見えて来ました。
浅間山は母の実家からよく見える山で、子供の頃、毎年とても楽しい夏休みを過ごした思い出もあり、富士山の次に好きな山です。そうこうしているうちに、金沢の手前まで来てしまい、白山上空を通過しました。
浅間山も雪を被って大層きれいでしたが、白山周辺は一面が銀世界。。。下から見上げても美しいに違いありませんが、上から黒々とした木々の枝と真っ白な地面のコントラストを間近に眺めると、新鮮な雪の香りがするようで、背景は真っ青な空という色彩の交響曲が、ハートを鳴り響かせるようでした。
ひどく辛い思いをした後で、その美しさの沁み入りようと言ったら…。
高次元で美しいとか、素晴らしいとかいうのは、また感じ方が違うのでしょうが、こういう痛んだ心に沁み入るような感動とか、痛みがあるからこその深い喜びといった複雑な感情は、おそらく苦痛を体験できるこの世界特有のものに違いない、と景色を見ながら思っていました。
さて、数日前、駅前のスーパーでのこと。。。
あれこれ買って、重いしかさばるし、で、少しもたもたしながらカートを置き場に返そうとしていたら、男性スタッフの方がさっとそのカートを引き受けて、「どうぞお気をつけてお帰り下さい」と声をかけてくださいました。
ここは親切な方が多くて、カートをさっと気持ちよく引き受けてもらうのは普通ですが、こんなに丁寧な挨拶で見送っていただいたのは、初めてだったかもしれません。
まるで高級旅館みたい…
ここはスーパーだよね…
それも郊外の普通のスーパー…
あれこれ続き過ぎた後で、一応きちんとした恰好をして普通にしてはいても、心の中は相当よれよれでしたから、こんなに丁寧にしていただくと、体の奥からしんみりしました。
口先だけの挨拶ではなく、どこか温かみのある配慮を感じました。
ああ、人として大事にされてる…
痛んだり、疲労困憊だったりしなくても親切は嬉しいものですが、こういう場合の感じ方というのは、また特別なものがあります。
私たちの人生は、こういうこともひっくるめての、極上地上体験なのに違いありません。
- 何でもなくて天国な日常
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