苦しみの扱い方 by ティク・ナット・ハン
ティク・ナット・ハン『和解』(磯崎ひとみ訳 サンガ刊)より、引用です。
p103
苦しみを扱うことは、毒ヘビを扱うことと似ています。まずそのヘビについてよく知り、傷つけられない扱い方ができるほど自分をゆるぎなく強くしなくてはなりません。そうした過程を経た結果、ヘビと向い合う準備がととのいます。もしいつまでも自分のほうから向い合おうとしなければ、いつの日か、ヘビのほうから不意に姿を現し、かみつかれ、死に至るでしょう。
私たちが意識の深層に抱えている痛みも同様です。マインドフルネスのエネルギーがゆるぎなく強靭なものになるように実践することなく、放っておけば、痛みは大きく育ち、不意に向こうから姿を現し、直面せざるを得なくなります。そうなったら、できることは何もありません。
苦しみの種子は、自分の準備が整ったときに、こちらから招くだけにしましょう。そうすれば安全に扱えます。苦しみを変容させるには、何とかしようと格闘したり、排除しようとしないことです。ただ、マインドフルネスの光で湯浴みさせてやりましょう。
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