飛翔、あるいは真実
同志の皆さまに捧げます。。。
飛翔
つやつやとした繊細な羽を持ち
つぶらな黒い瞳に星を宿して
胸には青い光が燃える
この星の尊い生き物
空の蒼さに憧れて
ある日
小鳥は
固い大地を蹴った
高く高く
舞い上がる
風が光り
太陽の輝きが増す
空の蒼さは一層深くなって
神々しくなる
小鳥は視線を落とす
そこには見知らぬ大地が広がっていた
気持ちのよいねぐらや
美しいあそび場の庭
怖い猫や蛇に驚いて
逃げたこともある
魅力的な深紅のロビンと
鳴き交わしたこともある
あの見慣れた家はどこに行った?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小鳥の羽は美しくても
その飛翔には限りがあって
初めて芽生えた
知りたい気持ちを満たす
強さに欠けた
疲れた羽を休めようと
大地に舞い降りれば
そこはいつもの家
でも…
もうここにとどまることは
できない
小鳥はそう思う
もっと知りたい
もっと高く飛べば本当のことがわかる
きっと…
もっと高く
もっと長く飛んで
いつかこの見慣れた家と
あの未知の大地がつながる時が来る
だから
もっと高く
もっと長く飛んで
何度でも
何度でも試みる
それが
小鳥の生命だから
真実だから
- Poem & Fable
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