愛
一昨日見たのが、学校を舞台にしたミュージカルだったからかもしれません。学校時代の記憶がふうっと甦って来ました。
もうひどく暗くて鬱々とした子供で、朗らかとか無邪気といったポジティブな子供らしさとは全く無縁でした。スタンダードをクリアーしなければ受け入れられないという無意識なプレッシャーで疲労困憊していることが多く、たまにイレギュラーな休校日があったりすると、一日中寝ていたりしました。一度本当に中学に行きたくない日があったのですが、親にひきずられるようにして家から出され、仕方なく登校したなんてこともありましたっけ。
登校したって、自分の居場所があるわけでもありません。小学校の頃からそうでした。つまらなくても勉強はできたので、他に何の取り柄もなければ、それにすがるしかありませんでした。楽しいことや華やかなことって、ほんとに縁が無かった。
思い返してもちっとも可愛くない、魅力的な面を殆ど持ち合わせていないような鬱屈した子を、愛してくださった先生方がいました。
ほんと、信じられないです。。。
ほんとにあったことなのかな…(^^;)
でも、ほんとうの愛って、無条件ですからね…。
小学三、四年生の担任だった先生に、どこか学年で旅行をした際、抱っこをして可愛い可愛いと言って揺すってもらったことを覚えています。面映くもしみじみ嬉しくて、暗くてどんよりとした幼年時代に唯一輝くような記憶かもしれません。そう言えば、ご自宅でホットドッグを御馳走になったこともありました。
もうお一人は、中学時代の音楽の先生で、私のことなどご存知ないと思っていたんですが、文化祭の時に、真面目なだけでこれっぽっちも気の利いた事の無い文学関係のサークルの発表をご覧になって、褒めていただきました。全然ぴんときませんでした。。。一層よくわからなかったのは、その先生が特別な感情をこめて…たぶん、慈悲深く言われたことです。
まあ、真面目で素直な子供ではありました。
でもそういう事じゃなくて、お二人の先生方には、私の痛みや孤独の辛さ、本来の子供らしい楽しさから疎外されているような、そんな苦しみを理解して労ってもらっていたような気がします。
今住んでいるマンションに、Kちゃんという小学生の男の子がいます。私の子供時代とはまたタイプが違いますが、彼もものすご〜く鬱屈して、苦虫を噛み潰したような顔をしていることが多い子です。なぜ無視されたり態度が悪くても嫌にならないのか、考えたこともありませんでしたが、どこかで私の幼年期とつながっているからかもしれない…と昨日初めて気づきました。
ほんとにまあ、こちらはいつもニコニコして挨拶するんですが、返事が返って来るのは稀です(^0^)
でもね、一度すごく可笑しかったのが、エレベーターの中で彼と二人だけになり、丁寧に彼の名前を呼んで話しかけたら、下を向いたまま一瞬すごく顔が綻んだんです。ほんとに、一瞬顔中でニヤッとしてすぐに消えました(笑)それがそんなに嬉しいことだったか、とちょっとびっくりしましたけれど。。。
で、数日前のこと、夕方暗くなりかけて涼しくなってから散歩に出ようとマンションを出たところで、彼が自転車に乗って帰って来るのとすれ違いました。珍しいことに、向こうから挨拶してくれました。その時は気にも止めず、「はれま、お珍しいこと…」と思っただけでした。いつもと同じでしかめ面をしてましたし。。。
で、随分経ってから気づきました。
このマンションにほぼ同時に引っ越して来てから十年近くになりますが、彼から挨拶してくれたのは、これが正真正銘初めてでした!
- 何でもなくて天国な日常
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