死んだ後、正確には肉体を脱いだ後のこと
一昨日、ふらっと本屋に寄ったところが、大ヒット〜!!
最近、心底面白いと思える本がなかなか無くて、それもあって本を手に取る気にならない…というのもあったかもしれません。でも、途中で読むのを止めることができないほど素的な本に出会えました。
アニー・ケイガン『アフターライフ』(島津公美訳 ダイヤモンド社)
事故死した兄ビリーが、妹のアニーに送った深遠なメッセージの数々です。ただ、ビリーは普通の常識的な人生を生きた人ではありませんでした。麻薬中毒で売人としての罪で長期にわたる収監を経験し、リハビリ施設で暮らしたこともありました。最後は古いベンツに寝泊まりするホームレスだったのですが、それも全て彼の魂が心底経験したくて計画してきたことでした。
地上の汚辱にまみれた人生の聖性が鮮やかに語られていて心を打つし、その底にある私たちが見失いがちな真実をクリアーに示してくれている本です。
ビリーは、車にはねられて肉体を脱ぐと、この世と同じ幻想であるところの様々な天国に立ち寄ることなく、一気に本当の故郷に帰還しました。宇宙とひとつになるレベルです。
一部だけコピペします。
pp156-157
僕が生前、どうしてあんな生き方を選んだかは、人間の理解を超えている。
どうして僕みたいな生き方を選ぶ人がいるんだろう、だって?
それはね、薬物依存症の人生が僕にとっては最も興味深い生き方のひとつだったからさ。あれは僕が経験すべき大事な苦しみだったんだ。そして、人生に負ける経験こそ、僕にとっての勝利に等しかった。
僕だってそんなことは生きている時にはまったくわからなかったけれど、地上での悲惨な出来事があってこそ、今いる場所へと向かう準備が整うことになった。
(中略)
僕は生活が立ちゆかなくなるほど薬に溺れた。でも、それが宇宙とひとつになるための準備だったなんて誰に思えただろう? だから、君も含めて、誰も他人の人生を評価なんかできない。時に君に困難が訪れたり、一人ぼっちになったりすることがあるかもしれないけど、それは宇宙とひとつになる準備なんだよ。
僕は、人に僕と同じ道をたどったほうがいいなんて言うつもりは、さらさらない。でも、君は他の誰の目でもなく、自分の目で物事をちゃんと見つめるべきだと思う。チャンスをつかんで、そして夢に向かって突き進んでほしい。
- ご本
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