もう少しターシャのエピソードを…愛について
これは、『とんでもなく全開になれば…』の一節です。
何年も前のあるバレンタインデーが、私の人生を変えた。カワサキの黒いバイクに乗る女流脚本家で、女神みたいに素敵な女が、私とのつきあいを終わらせたのだ——二月十二日に(L註 ターシャは女性をパートナーにするタイプ)。私はバレンシア通りの電話ボックスで、泣きじゃくりながら友人に電話をかけた。
視界の端で、ホームレスの男がこちらを見ながら買い物カートを押していくのが見えた。数分後、彼は戻ってきた。
「これをあなたに」そう言って私をまっすぐ見て、いったいどこで見つけたのか見当もつかない、立派で大きな白いガーデニアを差し出した。「ねえお嬢さん、泣かないで。うまくいくよ。約束する」
言うまでもなく、私はいっそう泣いた。そして彼を思い切りハグし、財布に入っていたお札を全部あげた。彼の何かが私のハートを一気にひらき、気持ちが晴れた。
その男のおかげで、翌日、私はもう突然の別れにめそめそすることもなく、元気になっていた。そして名を告げずに人を助けて街じゅうを動きまわり、じつに多くの人々が、恋人がいようがいまいが、このいわゆる大事な愛の日にひどく惨めな思いをしているのを見た。出会った誰にでもただ与えるということが、信じられないほど素晴らしく感じられた。
その日、私はずっと祈りを胸に携えていた。「愛の力となれるなら、どこであれそこに導いてください。お望みのままに、私をどこにでも連れていってください。あなたの指示を実行させてください」
(「世界に心を寄せる」pp194-195)
何年も前のあるバレンタインデーが、私の人生を変えた。カワサキの黒いバイクに乗る女流脚本家で、女神みたいに素敵な女が、私とのつきあいを終わらせたのだ——二月十二日に(L註 ターシャは女性をパートナーにするタイプ)。私はバレンシア通りの電話ボックスで、泣きじゃくりながら友人に電話をかけた。
視界の端で、ホームレスの男がこちらを見ながら買い物カートを押していくのが見えた。数分後、彼は戻ってきた。
「これをあなたに」そう言って私をまっすぐ見て、いったいどこで見つけたのか見当もつかない、立派で大きな白いガーデニアを差し出した。「ねえお嬢さん、泣かないで。うまくいくよ。約束する」
言うまでもなく、私はいっそう泣いた。そして彼を思い切りハグし、財布に入っていたお札を全部あげた。彼の何かが私のハートを一気にひらき、気持ちが晴れた。
その男のおかげで、翌日、私はもう突然の別れにめそめそすることもなく、元気になっていた。そして名を告げずに人を助けて街じゅうを動きまわり、じつに多くの人々が、恋人がいようがいまいが、このいわゆる大事な愛の日にひどく惨めな思いをしているのを見た。出会った誰にでもただ与えるということが、信じられないほど素晴らしく感じられた。
その日、私はずっと祈りを胸に携えていた。「愛の力となれるなら、どこであれそこに導いてください。お望みのままに、私をどこにでも連れていってください。あなたの指示を実行させてください」
(「世界に心を寄せる」pp194-195)
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