思いやりと知恵
こちらも胸が熱くなる、い〜い話です。
オリジナルサイトには、長野さんの写真もあります。
朝日新聞デジタル(2015年12月31日10時59分)より全文転載します。
やむを得ず子連れで免許更新…講師の言葉にほろり
日々の出来事や思いをつづる朝日新聞の読者投書欄「ひととき」に、今年もたくさんのお便りをいただき、ありがとうございました。この1年間に掲載した中から、気になる投稿を振り返りました。
■免許講習でほろり
(11月2日付子育て面)
先日、運転免許証更新の講習を受けた。仕事の都合で1歳と3歳の息子を連れ、夕方の最終回の受講。警察署でベビーカーを押しながら何度も周囲に「すいません」と謝り部屋に入ると、すでに受講者で満員。ここで子どもをあやしながらの30分は、なんと長く感じることか。
幸い、出口付近の席に案内していただき、周囲の方にまた謝りつつ席に着いた。「静かにね」と子どもに言って、折り紙を取り出すと、一見ぶっきらぼうな講師の先生が大声で「まずはスマホの音を消して」と、よくある注意を始められた。
さらに大きな声で「今日はここに小さい子どもさんを連れたお母さんがおられます。この厳しい世の中で必死に子育てをがんばっているところです。子どもというのは声が出るものです。私は負けない大きな声でお話しするつもりです。どうぞ温かいご理解をお願いいたします。それでは始めます」と。
力が入っていた肩を優しくたたかれたようで、涙がこみ上げ、それを見た息子が不思議そうな顔をした。
新しい免許証を見るたび温かい気持ちになり、今日も安全運転で子どもたちを園に迎えに行く私である。
(兵庫県姫路市 大崎聡美 医師 33歳)
◇
大崎さんが受けた免許講習は、兵庫県の姫路警察署で開かれた。講師は県交通安全協会の長野泰蔵さん(59)。元警察官で、音楽隊に所属してホルンの演奏を担当していた。市民とのつながりが持てる仕事を続けたいと、3年前から講師をしている。
講習中に子どもが声を上げることがある。受講者の中には親子の方に目をやったり、迷惑そうな顔をしたりする人たちがいた。
そこである時、子連れの受講者に理解を求めるあいさつを最初にしてみると、スムーズに講習が進んだ。「お母さんの気持ちにゆとりができるだけでなく、ほかの人も集中できます。『法定講習』なのでしっかり聴いてもらう必要がありますから」
子どもを連れてくる人は、そうせざるを得ない事情があると考える。「あの日のあいさつも、当たり前のことをしただけ」と話している。(北村有樹子)
オリジナルサイトには、長野さんの写真もあります。
朝日新聞デジタル(2015年12月31日10時59分)より全文転載します。
やむを得ず子連れで免許更新…講師の言葉にほろり
日々の出来事や思いをつづる朝日新聞の読者投書欄「ひととき」に、今年もたくさんのお便りをいただき、ありがとうございました。この1年間に掲載した中から、気になる投稿を振り返りました。
■免許講習でほろり
(11月2日付子育て面)
先日、運転免許証更新の講習を受けた。仕事の都合で1歳と3歳の息子を連れ、夕方の最終回の受講。警察署でベビーカーを押しながら何度も周囲に「すいません」と謝り部屋に入ると、すでに受講者で満員。ここで子どもをあやしながらの30分は、なんと長く感じることか。
幸い、出口付近の席に案内していただき、周囲の方にまた謝りつつ席に着いた。「静かにね」と子どもに言って、折り紙を取り出すと、一見ぶっきらぼうな講師の先生が大声で「まずはスマホの音を消して」と、よくある注意を始められた。
さらに大きな声で「今日はここに小さい子どもさんを連れたお母さんがおられます。この厳しい世の中で必死に子育てをがんばっているところです。子どもというのは声が出るものです。私は負けない大きな声でお話しするつもりです。どうぞ温かいご理解をお願いいたします。それでは始めます」と。
力が入っていた肩を優しくたたかれたようで、涙がこみ上げ、それを見た息子が不思議そうな顔をした。
新しい免許証を見るたび温かい気持ちになり、今日も安全運転で子どもたちを園に迎えに行く私である。
(兵庫県姫路市 大崎聡美 医師 33歳)
◇
大崎さんが受けた免許講習は、兵庫県の姫路警察署で開かれた。講師は県交通安全協会の長野泰蔵さん(59)。元警察官で、音楽隊に所属してホルンの演奏を担当していた。市民とのつながりが持てる仕事を続けたいと、3年前から講師をしている。
講習中に子どもが声を上げることがある。受講者の中には親子の方に目をやったり、迷惑そうな顔をしたりする人たちがいた。
そこである時、子連れの受講者に理解を求めるあいさつを最初にしてみると、スムーズに講習が進んだ。「お母さんの気持ちにゆとりができるだけでなく、ほかの人も集中できます。『法定講習』なのでしっかり聴いてもらう必要がありますから」
子どもを連れてくる人は、そうせざるを得ない事情があると考える。「あの日のあいさつも、当たり前のことをしただけ」と話している。(北村有樹子)
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